概要
HRMOS給与における通勤手当の設定方法について説明します。HRMOS COREとHRMOS給与を連携させた通勤手当の適切な設定手順を理解し、給与計算や社会保険料・労働保険料の算定に正確に反映させることが可能になります。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- HRMOS COREとHRMOS給与における通勤手当の登録箇所と連携方法を把握すること
- 定額支給または出勤日数に応じた支給など、通勤手当の支給単位に応じた設定を行うこと
- 社会保険上の報酬や離職票で使用される通勤手当の算定ロジックを理解すること
- 課税通勤手当と非課税通勤手当の区別に関するシステム上の制限を理解すること
前提条件
-
HRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)に情報が登録されていること
- 通勤手当の支給単位(1ヶ月単位、3ヶ月単位、6ヶ月単位、または出勤日数に応じた支給)に応じて必要な情報(片道金額、定期代、片道距離など)が準備されていること
- HRMOS給与で通勤手当に関する支給項目(種別がプリセット計算の課税通勤手当、非課税通勤手当)が作成されていること
- 初期設定の実施に必要なアカウントが追加されていること
手順
通勤手当の設定は、主にHRMOS COREとHRMOS給与の連携によって行われます。通勤手当の種類(交通機関、交通用具)や支給単位(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、出勤日数)によって設定方法が異なりますが、基本的な流れは共通しています。
ステップ1.HRMOS COREにおける通勤手当情報の確認
- 社員個人の通勤手当情報がHRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)に登録されているか確認します。
- 補足: HRMOS COREの「個人情報>住所・通勤経路」の通勤手当の情報はHRMOS給与には連携されません。通勤手当情報は「個人情報>通勤手当情報」に登録するよう注意してください。
ステップ2.HRMOS給与の給与計算グループの設定(基本設定)
操作の概要
HRMOS給与の給与計算グループにおいて、通勤手当の基準日と取得月(定額での支給)、勤怠項目(出勤日数での支給)を設定します。
具体的な操作
-
月定額での支給を行う場合
- 「HRMOS企業管理>給与>給与計算グループ>基本設定>通勤手当の基準日」で、HRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)で登録する定期代、1か月定額の通勤手当の適用日を給与計算に反映する基準日(給与締め日、勤怠締め日、支給日のいずれか)を選択します。
- 取得月は基準日について「いつの」データを取得するか、『前月』『当月』『翌月』より選択します。
- 補足:給与計算の締め日(=勤怠締め日)が前月月末、支給日が当月25日の場合、3/31時点の登録情報を4/25支給日に反映させる場合、基準日=給与締め日&取得月=当月として設定します。
-
出勤日数など勤怠に応じた支給を行う場合
- HRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)で登録する『支給額(1日)』、『片道金額』✕2に乗じる日数を勤怠項目から選択します。勤怠締め日時点『支給額(1日)』『片道金額』の情報が取得され計算されます。
- 初期値は労働日数が選択されていますが、自身で作成した勤怠項目に乗じる日数を変更することも可能です。
結果
定額の場合は通勤手当の計算にどの時点のHRMOS COREデータを使用するか、勤怠に応じた支給を行う場合は乗じる日数が設定されます。
ステップ3.HRMOS給与における給与計算グループの設定(項目設定)
操作の概要
HRMOS給与の給与計算グループで、通勤手当に関する支給項目を作成し、その設定を行います。
具体的な操作
-
ステップ2による通勤手当は課税通勤手当、非課税通勤手当(種別=プリセット計算)として支給されます。
- 項目名の名称を変更したい場合は変更します。
- ステップ2以外に通勤手当を支給する場合は新たに手当を作成して設定します。
結果
通勤手当が給与計算の対象として適切に設定されます。
ステップ4.社会保険の届出に使用される通勤手当の金額の確認
概要
設定された通勤手当が社会保険上の報酬にどのように反映されるか確認します。
要件
- 1ヶ月単位の支給の場合、定期代(1ヶ月)または支給額(1ヶ月)で設定した金額が社保対象通勤費および雇保対象通勤費(離職票)として算定されます。
- 3ヶ月単位の支給の場合、定期代(3ヶ月)を3で割った金額が社保対象通勤費および雇保対象通勤費(離職票)として算定され、余りがある場合は定期代支給月に加算されます(離職票上は対象期間の最後の月に加算)。
- 6ヶ月単位の支給の場合、定期代(6ヶ月)を6で割った金額が社保対象通勤費として算定され、余りは切り捨てされます。雇保対象通勤費(離職票)は定期代(6ヶ月)を6で割った金額が算定され、余りがある場合は定期代対象期間の最後の月に加算されます。
結果
具体的な金額は、社会保険上の報酬 (社保対象)、離職票上の賃金 (雇保対象)はHRMOS給与の毎月の給与計算で氏名をクリックし、給与情報タブ>計算情報の社保対象通勤費、雇保対象通勤費(離職票)で確認できます。
※編集は毎月の給与計算:給与計算する>補足・ヒント>固定給(支給・控除)や固定的な通勤手当が計算期間途中で変更した場合を参照してください。なお、雇保対象通勤費(離職票)は離職証明書に記載する金額を意味しますが、現状、HRMOS労務での離職証明書と連携ができないため、修正の必要はありません(2025年9月現在)。
手順の補足・設定項目一覧
HRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)で登録する情報
| フィールド | 設定内容 | ||
|---|---|---|---|
| 通勤手段 |
交通機関、交通用具、徒歩から選択します。 徒歩の場合、全額課税通勤手当として処理されます。 |
||
| 交通機関の場合 | 交通用具の場合 | ||
| 交通機関種別/交通用具 | 電車、バスより選択します | 車、バイク、自転車より選択します | |
|
乗車駅/停留所、経由地、降車駅/停留所 / 出発地、到着地 |
任意の入力項目です | ||
| 片道の距離(km) | 片道距離(小数第2位まで)を登録します。非課税額の範囲判定に利用されます※※ | ||
|
支給単位 に応じ 登録 |
片道金額/支給額(1日)※ |
片道金額を登録します。 『片道金額』✕2✕乗じる日数を支給するイメージです |
1日分の金額を登録します ✕乗じる日数を支給するイメージです |
|
定期代(1ヶ月)/ 支給額(1ヶ月)※ |
1ヶ月分の金額を登録します | 1ヶ月分の金額を登録します | |
| 定期代(3ヶ月)(6ヶ月)※ | 3ヶ月の定期代、6ヶ月の定期代を登録します | ||
|
支給単位(交通機関)/ 支給単位(交通用具・徒歩) |
※で登録したものを選択します | ||
|
出勤日数に応じて毎月支給 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月(3ヶ月、6ヶ月では支給月含む)、支給しない から選択します※※ |
出勤日数に応じて毎月支給 1ヶ月、支給しない から選択します |
||
※※非課税限度額は交通機関の場合は1ヶ月当たりの支給額、交通用具の場合は片道の距離で判定されます(参考:国税庁ホームページ)。交通用具であるにも関わらず距離が入力されない場合、金額が出力されません。
通勤手当の算定時期と社会保険の報酬等になる金額
- いつのデータを給与計算に使用するかのコントロールはできますが、支払時期と異なる時期への社会保険上の報酬等を計上する処理には対応できません。
- 定期代では社会保険の報酬はHRMOS COREで設定した支給月から算定され、税額計算、労働保険への算定も支給月となります。
支給単位 |
社会保険の報酬 (社保対象& |
離職票の賃金 (雇保対象)*3 |
課税・労働保険の取扱い |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | HRMOS COREの支給額がそのまま算定される | HRMOS COREの支給額がそのまま算定される | 支払時に課税・非課税の判定。労働保険料も支払時に徴収。 |
| 3ヶ月 | HRMOS COREの支給額を3で割った金額。余りは支給月に加算*1。 | HRMOS COREの支給額を3で割った金額。余りは対象期間の最後の月に加算*2。 | 支払時に課税・非課税の判定。労働保険料も支払時に徴収。 |
| 6ヶ月 | HRMOS COREの支給額を6で割った金額。(余りは切り捨て) | HRMOS COREの支給額を6で割った金額。余りは対象期間の最後の月に加算*2。 | 支払時に課税・非課税の判定。労働保険料も支払時に徴収。 |
*1:例えば、定期代(3ヶ月)=30001円、支給単位:3ヶ月(1月/4月/7月/10月)の登録では、1月に10001円、2月・3月が10000円のような処理となります。
*2:例えば、定期代(3ヶ月)=30001円、支給単位:3ヶ月(1月/4月/7月/10月)の登録では、1月・2月が10000円、3月に10001円のような処理となります。
*3:離職票の賃金(雇保対象)は離職証明書に記載する金額を意味しますが、現状、HRMOS労務での離職証明書と連携ができないため、修正の必要はありません(2025年9月現在)
補足・ヒント
HRMOS COREに登録した通勤手当日額・月額(定期代)の合算、日額・月額(定期代)を比較する、上限を設定する、日割計算する支給には原則対応していません
- HRMOS CORE(個人情報>通勤手当情報)に登録した通勤手当日額・月額(定期代)による併給設定、日額・月額(定期代)の比較設定、額面の上限設定、日割計算対応はいずれもできません。
-
全額非課税での通勤手当のみである場合に限り利用できるなど一定の制約はありますが、次のような例で日額と月額の比較設定や上限設定など可能な場合もありますのでご参考ください。
例)「通勤日額」×労働日数と「通勤定期」を比較して小さいほうの金額を支給する
| 例 |
|
- 上記のような対応が難しい場合は、給与計算グループに初期設定されている支給項目である課税通勤手当、非課税通勤手当に別で計算した通勤手当の金額をインポートいただき対応いただく必要があります。
定期代や固定金額から差額精算等の調整額を支給したい場合の対応
- HRMOSでは差額精算等の調整額を支給するための仕組みは初期設定されていません。そのため、次のような対応の必要があります。
- 新たに調整額のための支給項目「課税通勤手当調整」「非課税通勤手当調整」など課税通勤手当や非課税通勤手当に関する支給項目を作成していただき、通勤手当の調整分を加算(プラス入力)または減算(マイナス入力)することで調整いただくと円滑に金額を反映しやすくなります。
- 併せて社会保険の届出に使用される通勤手当の金額の確認・修正が必要な場合は本ページの 社会保険の届出に使用される通勤手当の金額の確認 を参照してください。
HRMOS COREとHRMOS給与間の連携の注意点
- HRMOS給与の給与計算グループ設定において、通勤手当の「支給単位」を「出勤日数に応じて毎月支給」と設定した場合、HRMOS COREでの設定に関わらず、HRMOS給与で連動させる勤怠項目(日数)と紐づけて計算されます。
賞与での通勤手当の支給
賞与での通勤手当の支給には対応していません。
通勤手当が表示されない・誤っている場合
-
HRMOS COREにおける通勤手当情報の確認 と HRMOS給与の給与計算グループの設定(基本設定)の内容を改めて確認してください。
- HRMOS COREでは支給単位に合わせた登録がされているかご確認ください。
- HRMOS COREでは支給単位に合わせた登録がされているかご確認ください。
- HRMOS COREにおける通勤手当情報で交通用具の設定をした場合に、片道の距離(km)が入力されないとHRMOS給与で課税通勤手当、非課税通勤手当が算出されませんのでご注意ください。「交通用具」を選択し、かつ「片道の距離(km)」が未入力の場合、課税・非課税額が計算できないため通勤手当額は0円で表示されます。
全額課税の通勤手当を支給したい場合
- 交通手段=交通用具で片道の距離(km)が0で登録されている場合は全額課税通勤手当となります。
-
交通手段=徒歩で支給する金額も全額課税通勤手当となります(距離0kmとみなされます)。
参考)出所:国税庁ホームページ