概要
HRMOS給与の給与計算グループは、会社の給与計算を管理し、ルールに基づいて給与計算を行うための重要な機能です。この機能を利用することで、給与形態や締め日、支給日が異なる従業員グループごとに適切な計算ロジックを適用し、正確な給与計算を実行できます。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- HRMOS給与における給与計算グループの役割と必要性を理解する
- 給与計算グループの作成および各種設定(基本情報、項目設定など)を実施する
前提条件
- HRMOS労務給与の全体像を把握していること
- HRMOS COREに会社情報が登録されていること
- 初期設定の実施に必要なアカウントが追加されていること
- HRMOS勤怠の明細設定も行う場合はHRMOS勤怠>給与明細メニューに管理者としてアクセスできること
手順
給与計算グループの設定は、以下のステップで進めます。
ステップ1. 給与計算グループの全体像を把握し、作成すべき給与計算グループを決定する
概要
給与計算グループがどのような目的で分けられるのか、分けなければならないのか、要件を理解します。
要件
- 給与形態(月給、日給、時給)が異なる場合は、それぞれ別のグループを作成する必要があります。
- 給与締め日、勤怠締め日、支給日の組み合わせが異なる場合も、グループを分ける必要があります。
- 入社・退職、休職時の日割計算ルールが異なる場合も、グループを分けることができます。
- 使用する固定給、勤怠に連動する支給方法、給与明細の表示、割増基礎単価や欠勤基礎単価の算定式が異なる場合(イメージ)も、グループを分けることが推奨されます。
- 例として一定の対象者には一定の勤怠項目を連携したくない場合→一定の対象者は別の給与計算グループとしていただく運用を推奨します。
結果
会社の給与体系に合わせ作成すべき給与計算グループを明確にします。
補足:作成した給与計算グループは同一の給与形態(月給・日給・時給)であれば、その設定した給与計算グループをコピーして設定することが可能です。そのため、給与計算グループの分け方が最初から明確でない場合、設定を開始してから異なった設定が現れた場合に分割して作成していくことも可能です。
ステップ2. 給与計算グループを新規作成する
操作の概要
必要な給与計算グループを作成します。
具体的な操作
1.HRMOS給与の「設定」メニューから「給与計算グループ」を選択します。
2.「新規追加」(または画面右上の+)ボタンを押下し、新しい給与計算グループを作成します。
補足:既存の給与計算グループをコピーして作成する場合(同一の給与形態(月給・日給・時給)に限る)、コピー元グループの最新の改訂履歴(改訂履歴がない場合は初期設定)がコピーされます。コピーの手順は改訂の補足・ヒント>給与計算グループのコピーを参照ください。
結果
給与計算グループの枠組みがシステム上に準備されます。
ステップ3. 給与計算グループの基本設定を行う
操作の概要
作成した給与計算グループの基本的な計算ルールを設定します。
具体的な操作
- 作成した給与計算グループを選択し、「基本設定」タブで以下の項目を設定します。このうち、*は勤怠項目の設定後に設定ください。詳細は給与計算グループでの設定内容とポイントを参照ください。
- 給与形態では 月給、日給、時給のいずれかを登録します。
- 支給日では実際の支給日を登録します。土日の場合の支給日変更ルール(前営業日、翌営業日、変更なし)は基本設定で設定した内容が初期表示されます。
- 給与締め日は 固定給の締め日を設定します。
- 勤怠締め日:は勤怠部分の締め日を設定します。
- 社会保険料徴収: 翌月徴収、当月徴収、翌々月徴収の中から選択します。
- 通勤手当(定額での支給): HRMOS COREの個人情報>通勤手当情報を使用し、1ヶ月定額や定期代を支給する場合に影響します。給与支給日、給与締め日、勤怠締め日のいずれを基準にHRMOS COREの情報を参照するか、および取得月(前月、当月、翌月)を選択します。
- 通勤手当*(出勤日数での支給): HRMOS COREの個人情報>通勤手当情報を使用し、出勤日数に応じて支給する場合に影響します。乗じる日数を設定します
- 日割計算*: 途中入社・退職、途中休職・復職の場合に自動で日割計算を行うか否か、計算式、端数処理、対象項目などを設定します。
- 支払基礎日数*:月給の場合のみ、「計算式」または「プリセット計算」を選択します。
結果
グループごとの基本的な給与計算のルールが設定されます。
ステップ4. 給与計算グループの項目設定を行う
操作の概要
勤怠、支給、控除、単価に関する詳細な設定を行います。
具体的な操作
1.「項目設定」タブで「勤怠」「支給」「控除」「単価」の各項目を設定します。詳細は給与計算グループでの設定内容とポイントを参照ください。
2.各項目について、次の種別を選択し設定します。
- 勤怠:変動取込、計算式
- 支給:社員一覧で設定、COREで設定、変動取込、計算式
- 「COREで設定」を選択する場合、HRMOS COREの会社>手当または単価で項目が設定されている必要があります。
- 控除:社員一覧で設定、変動取込、計算式
- 支給・控除は、休職時の支給/控除対象、退職翌月の支給/控除対象、日割計算対象、明細表示設定(0の場合は非表示、常に表示、常に非表示)などを設定します。
- 単価は主に支給>計算式で使用する前提で設定するもので参照給与、計算式(基準、対象項目)、端数処理の有無)を設定します。
結果
支給、控除、単価計算の具体的なロジックが設定されます。
ステップ5. 給与計算グループで使用する明細定義を行う
操作の概要
ステップ4の項目で設定する明細表示以外の明細に表示する項目の設定(明細定義)を行います。
具体的な操作
1.HRMOS企業管理>給与>設定>給与計算グループで給与明細の定義・項目設定を行いたいグループを選択します。
2.「明細設定」を選択し、画面右上の「+」をクリックします。初回は画面中央の「データ定義を作成」をクリックすることでも可能です。
3.データ定義名を設定し、□の箇所で表示したい項目にチェックを入れます。
4.画面右下の「保存」ボタンをクリックします。
5.作成した定義を選択して画面右上の「CSVファイルをダウンロード」をクリックすると、「HRMOS勤怠」給与明細>データ定義で取り込むCSVが出力できます。
6.「HRMOS勤怠」給与明細>データ定義にて、定義の名称を設定の上、5で作成したCSVをアップロードし登録をします。詳細は【1】を参照ください。
ステップ6. 給与計算グループに社員を割り当てる
結果
従業員が適切な給与計算グループに紐づけられ、給与計算の準備が整います。
手順の補足・設定項目一覧
給与計算グループでの設定内容とポイント
設定内容とポイントは以下の通りです。*は勤怠タブ設定後に設定します。
| カテゴリ | 項目 | 設定内容とポイント |
|---|---|---|
| 基本設定 | 給与形態 |
月給、日給、時給のいずれかを登録します。 一度作成した給与計算グループの給与形態は変更できません。 |
| 支給日 | 支給日を登録します。月末の場合は「月末」を選択します。支給日が土日の場合、基本設定で設定した「支給日が土日の場合」の設定に基づき初期表示されますが、変更は可能です。 | |
| 給与締め日 | 固定給の締め日を設定します。固定給がない場合は勤怠締め日と同じ登録にします。前月締め日、翌月支給の場合は「支給月の前月」を、当月締め日、当月支給の場合は「支給月」を選択します。 | |
| 勤怠締め日 | 勤怠部分の締め日を設定します。勤怠部分の給与が特にない場合、給与締め日と同様にします。前月締め日、翌月払いの場合は「支給月の前月」を選択します。 | |
| 社会保険料徴収 |
翌月徴収、当月徴収、翌々月徴収の中から選択します。 給与締め日=『支給月』(当月払い)で社会保険料徴収=『翌月徴収』の場合に限り『有効』『無効』が選択できます。『有効』の場合に月末退職すると2ヶ月分の社会保険料を自動的に徴収します。 |
|
| 勤怠計算・単価 | 1日の所定労働時間(60進法のみ)、平均所定労働日数、平均所定労働時間(60進法のみ)を設定します。設定は必須ですが、給与計算グループの算式によっては設定値を使用しないことや、他に使用したい値(個別の対象者で別の値を使用したい等)がある場合は優先順位をご確認の上、他を設定することでここで設定する値を使用しないこともできます。 | |
| 通勤手当(定額での支給)>基準日 |
HRMOS COREの個人情報>通勤手当情報を使用し、1ヶ月定額や定期代を支給する場合に影響します。 HRMOS COREデータ取得(個人情報>通勤手当情報)の基準日として、給与支給日、給与締め日、勤怠締め日のいずれかを選択します。 |
|
| 通勤手当(定額での支給)>取得月 |
HRMOS COREの個人情報>通勤手当情報を使用し、1ヶ月定額や定期代を支給する場合に影響します。 基準日について「いつの」HRMOS COREデータ取得(個人情報>通勤手当情報)をするか「前月」「当月」「翌月」より選択します。 |
|
| 通勤手当(出勤日数での支給)* |
HRMOS COREの個人情報>通勤手当情報を使用し、出勤日数に応じて支給する場合に影響します。 HRMOS給与で連動させる勤怠項目(日数)を設定します。 |
|
| 日割計算* |
月給の場合のみ日割計算設定できます。給与計算期間中の「途中入社・退職」「途中休職・復職」で自動的に日割計算を行うか設定します。計算式(分母にあたる日数、乗じる日数)と端数処理(切り上げ、四捨五入、切り捨て)を選択します。日割計算対象額は、項目設定で「日割計算対象=対象」とした項目となります。 日割計算以外で全日休職の場合の支給有無等は項目設定で設定します。 |
|
| 支払基礎日数* |
月給の場合のみ、「計算式」または「プリセット計算」を選択します。月額変更届、算定基礎届に使用される支払基礎日数の計算方式を設定します。 時給・日給の場合は「計算式」のみとなります。 支払基礎日数のプリセット計算では「対象日数項目」から欠勤日数と休出日数を考慮した計算が可能です。計算式の場合は勤怠項目>支払基礎日数で設定いただいた計算式による計算で日数が計算されます |
|
| 項目設定 | 勤怠タブ | 種別(「変動取込」「計算式」)や明細表示などを設定します。 |
| 種別(「社員一覧で設定」「変動取込」「計算式」など)、休職時の支給対象(給与計算期間中の全日が休職の場合に支給/控除)、退職翌月の支給対象(主に固定給が当月、勤怠部分が翌月払いのときに、退職翌月に払わない固定給等にあたるものの設定)、日割計算対象、明細表示などを設定します。 | ||
| 単価タブ | 支給や控除の計算式で用いる単価の前月/当月給与参照、基準(平均所定労働時間、日数、暦日数、勤怠項目など)、対象項目、端数処理の有無を設定します。 | |
| CSVフォーマット | 使用開始時に設定する箇所はありません。 | |
| 明細設定 | ステップ5の項目設定で設定した明細表示以外の明細表示項目を設定します。 | |
| HRMOS勤怠連携設定 | HRMOS勤怠との連携設定(API連携の場合)で使用します。 | |
| 割り当てルール | 割り当て条件 | 雇用形態、給与形態、勤務地、職務、役職、職種などを組み合わせて給与計算グループの割り当てを設定します。 |
明細設定(定義)とHRMOS勤怠(給与明細)の関係
| 項目 | CSV出力とHRMOS勤怠(給与明細)の表示 |
| 社員番号、姓、名 | 必ず出力されます。戸籍上の「姓」「名」にて表示されます。 |
| 部門 | CSV出力できますが、HRMOS勤怠(給与明細)には表示できません。 |
| 支給額合計、控除額合計、差引支給合計 | 自動的に出力、表示されます。 |
| 勤怠/支給/控除の項目 |
・項目設定で「常に非表示(支給額には含まない)」を選択した項目は表示されません ・項目設定で「0の場合は非表示」を選択され、値が0の場合は表示されません ・ステップ5-3で□にチェックを入れない項目は表示されません ・表示順は項目設定の並び順と同じとなります。 |
| 勤怠/支給/控除などの数値 |
・項目設定で「日数」「回数」としたものは日数として表示されます。 ・「60進法」もしくは「10進法」は時間として、金額は金額として表示されます。 |
| 「1日の所定労働時間」「月平均所定労働日数」「月平均所定労働時間」「住民税徴収区分」「社会保険料免除」「税区分」など | ステップ5-3で□にチェックを入れたものが文字列としてその他欄に表示されます。 |
| 現金支給額、銀行振込額1~4 | 値が0の場合は表示されません。 |
| 課税支給額年間累計、社会保険料年間累計、所得税年間累計 |
・同月に賞与支給等がある場合など、データ作成順により金額が変更される場合があります。 ・所得税年間累計には年末調整における還付徴収額は考慮されません。 |
| 備考欄 | HRMOS給与で給与・賞与支給時に設定した場合、最大255文字で出力できます。 |
補足・ヒント
日割計算の意味
- 日割計算は、月給制の場合にHRMOS CORE>業務情報>雇用条件の基本給や手当、社員一覧で設定した金額を給与計算期間中の途中入社・退職、途中休職・復職に対して、額面を自動的に按分して支給する機能です。
- 途中入社・退職:給与計算グループの給与計算期間において、HRMOS CORE>業務情報>入社・退職の入社日、退職日が給与計算期間途中にある場合に判定されます。入社だけ・退社だけの設定はできません。
- 途中休職・復職:給与計算グループの給与計算期間において、HRMOS CORE>業務情報>休職>期間が給与計算期間途中にある場合に判定されます。休職事由による適用可否などの差はつけられません。
- 分母となる日数は給与計算期間中の暦日数、勤怠>所定労働日数、平均所定労働日数、当月の所定労働日数が選択できます。勤怠>所定労働日数は勤怠項目で設定した所定労働日数、当月の所定労働日数は所定労働日数パターンで設定した所定労働日数となります。
- 対象となる(分子となる)項目は給与計算グループの項目設定>支給において日割計算対象=対象として設定した項目となります。
- 次のような例の設定では次のように自動計算されます。
- HRMOS COREにおいて、2025/4/16が入社日。基本給=200000円、役職手当=10000円、家族手当=5000円を設定
- 給与計算グループにおいて
- 給与計算期間は末日締め、翌月25日払いとして設定
- 項目設定>支給>基本給、役職手当を日割計算対象として設定(家族手当は日割計算設定しない)
- 基本設定>日割計算にて計算式 日割計算対象額÷ 勤怠>所定労働日数 ✕ 労働日数、1円未満を切り上げ、対象条件に途中入社・退職として設定
| 明細等の項目名 | 明細等に表示される勤怠・金額 | 詳細 |
|---|---|---|
| 勤怠>所定労働日数 | 21 (日) | 勤怠項目として21を入力 |
| 勤怠>労働日数 | 10 (日) | 勤怠項目として10を入力 |
| 支給>基本給 | 95239 (円) | 200000 ÷ 21 ✕ 10 (1円未満切上げ) |
| 支給>役職手当 | 4762 (円) | 10000 ÷ 21 ✕ 10 (1円未満切上げ) |
| 支給>家族手当 | 5000 (円) | 日割計算対象として設定対象外のため日割計算されない |
給与(固定給)締日と勤怠締日が異なる場合の注意点
- 月給制の場合を中心に、下図の給与計算グループBのように給与締日(給与計算期間(固定給の対象となる期間))と勤怠締日(勤怠計算期間)が異なる場合があります。
給与計算グループAに比べ、給与計算グループBでは次のような点に注意して設定を行う必要があります
| 設定 | 注意点 |
|---|---|
| ①支給・控除項目などの退職翌月の支給・控除対象設定 |
・支給項目の設定: 上図の例で4/30に退職した場合は5/25に固定給の支払をしないことが多くあります(給与計算期間に在籍せず、勤怠計算期間のみしか在籍がないから)。その場合、固定給は「退職翌月の控除対象=対象外」で設定することが必要です。4/30に退職した場合でも5/25に支払う固定給がある場合のみ、その固定給は「退職翌月の控除対象=対象」としてください。 併せて、その固定給を日割計算対象とする場合は「日割計算対象」=対象としてください (控除項目の設定も同様に行ってください) |
| ②単価の設定 |
・勤怠部分である残業代や欠勤控除等の計算を「通常の給与」を用いて行うときに「前月の給与」を設定(上図例では5/25支給の計算は4月の給与を使用する)する場合は、単価>参照給与で「前月」を選択して設定ください ・参照給与の対象項目が改訂される場合は変更タイミングにお気を付けください |
|
③計算式・ 日割計算など |
・中途入退職や休職などで固定給を勤怠により計算させたい時は、「当月の勤怠」は締日未到来のため「当月の勤怠」を手入力していただく設定で計算させることがあります(上図例では5/25に支給するとき5/1~5/31の勤怠がない) ・「当月の勤怠(実績)」でなく「当月の所定労働日数等(契約上の労働日数等)」で計算する場合、日数は事前に登録した支給月の「当月の所定労働日数」として使用可能です |
| ④社会保険料の設定 |
・通常は『翌月徴収』ですが、入社(資格取得)した月の支給から保険料を徴収し、退職(資格喪失)した月の前月まで保険料を徴収することがあります(『当月徴収』といいます) ・当月徴収の設定が可能です。この場合、2ヶ月徴収するか選択も可能です |
| ⑤対象者の給与計算グループの変更を行う場合 | ・異動後の給与計算グループで締日や支給日が異なる場合は変更タイミングに注意して実施ください |
給与計算グループ分けの詳細イメージ
- 細かく分類する必要があるかは、次のように使用する勤怠項目や支給項目から検討するとグループ分けの要否が明瞭になりやすいためご参考ください。