概要
HRMOS給与で毎月の給与計算を行うために必要となる、基本給や各種手当などの支給項目を設定する方法について説明します。この設定により、HRMOS給与で社員に支給される金額をシステムで管理し、計算に含めることができるようになります。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- 給与計算における支給項目の役割と設定が必要な箇所を理解する
- 新しい支給項目を追加する方法を理解する
- 各支給項目の金額設定方法(手入力、インポート、計算式など)や、所得税、社会保険、労働保険における計算対象とするかなどの属性設定を理解し、適切に設定する
- 賃金テーブル機能を利用した支給額の自動計算について理解する
前提条件
- 給与計算で使用する社員の情報がHRMOS COREに登録されていること
- 手当、単価を使用する場合はその名称がHRMOS CORE>会社>手当、単価に登録されていること
- 給与計算グループが作成・設定されていること
- 初期設定の実施に必要なアカウントが追加されていること
手順
操作の概要
給与計算グループの項目設定において、計算に必要な支給項目を設定します。
具体的な操作
1.HRMOS給与の設定から「給与計算グループ」を選択します。
2.対象の給与計算グループを選択し、以下の設定を行います。
- 項目設定をクリックします。支給タブにおいて次を設定します。
- 計算や表示に使用する支給項目を設定します。
- えんぴつマークを選択し、設定を開始し、設定完了後は画面右下の「保存」ボタンをクリックします。
- 項目名の名称を変更したい場合は変更します。
- 計算や表示に使用する支給項目を設定します。
- 使用しない項目は明細表示を常に非表示にするか画面右上のゴミ箱マークをクリックして項目を削除します。
- 新たな支給項目が必要な場合は画面右上の「+」ボタンをクリックして設定します。並べ変えは「↑↓」ボタンです。
結果
給与計算グループにおける支給項目の設定が完了します。
手順の補足・設定項目一覧
支給項目の設定内容(給与計算グループ - 項目設定)
給与計算グループの項目設定「支給」タブで設定できる主な項目は以下の通りです。
| 項目 | 設定内容とポイント |
|---|---|
| 項目名 |
給与明細等に表示する任意の項目名称が設定できます。ただし、他と同一名称とすることはできません(初期設定項目で削除した項目名とも同一名称にはできませんので、同一名称を使用したい場合、削除する項目名称を変更ください)。 COREで設定の項目名は全角・半角問わず16文字以内に留めてください。HRMOS CORE>会社>手当で設定した名称がそのまま利用され、変更はできません。 |
| 金額設定>種別 |
支給項目の金額がどのように決定されるかを設定します。一度設定した種別は変更できません。
|
| 計算種別 | 加算または減算を選択します。「プラス計算」は支給額に加算され、「マイナス計算」は支給額から減算されます(「マイナス計算」はプラス表示で減算される)。 |
| 休職時の支給対象 | 給与計算期間中の全日が休職の場合に支給を行うか設定します。 |
| 退職翌月の支給対象 | 主に固定給が当月、勤怠部分が翌月払いのときに、退職翌月に払わない固定給等にあたる項目に対し対象外を選択します。 |
| 日割計算対象 |
基本設定>日割計算の対象となる給与に対し対象を選択します。 対象の場合、日割計算の設定により指定日数で除し、指定の日数で乗じた金額を支給します。 |
| 所得税の計算対象 | 課税対象とするか、非課税とするかを選択します。「対象」は課税対象となり、「対象外」は非課税となります。 |
| 社会保険の計算対象 | 社会保険上の報酬月額に含めるかを選択します。「対象」は報酬月額に計上され、「対象外」は計上されません。 |
| (社保)現物支給 |
社会保険上の報酬月額を現物とするか通貨とするかを選択します。「対象」は現物、「対象外」は通貨となります。 但し、現物にしても支給額には計上されてしまうので、同額を社会保険の計算対象外として支給額からマイナスするなど別途の処理も併せて必要となります。 |
| 労働保険の対象 | 労働保険上の賃金に含めるかを選択します。「対象」は労働保険上の賃金となり、雇用保険料の徴収対象となります。 |
| 遡及支払対象 | 月額変更届や算定基礎届において遡及支払対象額として認識させるかを選択します。「対象」を選択すると認識されます。 |
| 明細表示 |
給与明細の表示設定を行います。「0の場合は非表示」、「常に表示」、「常に非表示(支給額には含まない)」から選択します。「常に非表示(支給額には含まない)」は合計額には含まれず値の計算等のみに利用できます。 なお、HRMOS勤怠(給与明細)のCSV定義にこの設定内容が反映されます。「0の場合は非表示」は値が0の場合、項目名も値も表示されません。「常に表示」は0であっても値も項目名も表示されます。「常に非表示」は定義に出力されません。詳細は補足・ヒント>出力した明細のデータ定義を変更したい場合を参照ください。 |
補足:一度設定した種別を変更したい場合は、その項目を削除し、再作成いただく必要があります。
初期設定項目について
- システムに初期設定されている支給項目があります。項目名は名称変更が可能ですが、計算式で使用されている場合、削除や設定変更できない場合があります。
| 項目名 | 初期設定内容と注意点 |
| 基本給 | HRMOS COREの業務情報>雇用条件で設定する基本給を使用した 月給では基本給単価(COREで登録した月額)、日給では基本給単価(COREで登録した日額)*労働日数、時給では基本給単価(COREで登録した時間額)*労働時間が初期設定されています。 算式が異なる場合は変更できますが、原則項目の削除はできないため(COREで単価が未設定の場合など一定要件に該当する場合のみ削除可)、使用しない場合は明細表示に「常に非表示」を選択ください。 |
| 課税通勤手当、非課税通勤手当 | 通勤手当の支給項目設定方法により自動的に設定されます。使用しない場合は削除ください。 |
| 法定内残業手当、法定外残業手当、 法定外残業手当(月60時間超)、 深夜労働手当、法定休日労働手当 |
単価✕率✕勤怠項目(時間)で初期設定されています。不要な場合は削除いただいて構いません。設定を変更する場合、支給項目を登録する(単価を組み込む)をご確認ください。 |
| 欠勤控除 | 削除すると、支払基礎日数のプリセット計算を行う場合に計算できなくなります。計算では使用するが明細に表示させたくない場合は、明細表示を「常に非表示」に設定してください。なお、計算種別はマイナス計算から変更できないため、マイナス表示したい場合は常に非表示の活用についてご確認ください。設定を変更する場合、支給項目を登録する(単価を組み込む)をご確認ください。 |
| 遅刻早退控除 | 単価✕率✕勤怠項目(時間)で初期設定されています。不要な場合は削除いただいて構いません。設定を変更する場合、支給項目を登録する(単価を組み込む)をご確認ください。 |
- 一度削除した初期設定項目、COREで設定の項目は初期設定項目の復元により再度利用することができます。
賃金テーブルについて
賃金テーブル機能を活用することで、社員の等級や役職などの属性に基づき、基本給や手当などの支給額を自動計算し、HRMOS COREに反映させることができます。HRMOS COREに反映された金額を給与計算に利用することができます。
社員一覧での金額の設定について
- COREで設定と比べて、社員一覧で設定を選択した項目には次のような特徴があります。
- 給与計算グループの変更があると社員に紐づけた金額が0円となります(例 給与計算グループAで社員番号101番の人に1000円を登録した場合、給与計算グループBに変更すると1000円の登録が消える)。
- 但し、給与計算グループを元に戻すと最初に登録した金額も戻ります(例 給与計算グループBからAに戻すと社員番号101番の人の1000円も戻る)。
- 登録値には履歴が持てません。支給月の計算前に上書きで金額変更いただく仕組みです。
- 登録した値をエクスポートなどで確認する方法がありません。
- 給与計算グループの変更があると社員に紐づけた金額が0円となります(例 給与計算グループAで社員番号101番の人に1000円を登録した場合、給与計算グループBに変更すると1000円の登録が消える)。
- 金額の設定には次の2通りの方法があります。
- 手入力で設定する場合
- HRMOS給与の社員のメニューから対象者の氏名をクリックします
- 給与情報のタブをクリックします
- 支給・控除・単価の鉛筆マークを押下し金額を登録します。保存をクリックします
- インポートで設定する場合
- HRMOS給与の社員のメニューから画面右上のデータの操作を選択します。インポート>給与情報をクリックします
- CSVファイルの1列目に社員コード(HRMOS給与に登録されているものと同一の番号)、1行目に項目名が入力されているデータをインポートします
- 手入力で設定する場合
補足・ヒント
計算式の設定変更対応
- 計算式を削除する場合、計算式に使用している勤怠・支給・控除項目、単価を先に削除することはできません。計算式のもとになる項目はあとで削除をしてください。
- 具体的には次のような例・手順をご参照ください。
例)勤怠項目から「法定外労働時間」を削除し「超過勤務労働時間」を新設する。それに伴い、支給項目「時間外手当」の計算式を「法定外労働時間」×支給基礎単価×1.25から「超過勤務労働時間」×支給基礎単価×1.25へ変更する
1.変更したい給与計算グループの対象支給月の改訂履歴を作成します。
2.勤怠項目に「超過勤務労働時間」を新設します<勤怠項目を登録する>。
3.支給項目「時間外手当」の計算式を「法定外労働時間」×支給基礎単価×1.25から「超過勤務労働時間」×支給基礎単価×1.25へ変更します。「法定外労働時間」の箇所を「超過勤務労働時間」という項目に差し替えることにより行います。
4.勤怠項目の「法定外労働時間」を削除します<勤怠項目を登録する>。
・補足:「法定外労働時間」と「超過勤務労働時間」を同名に置き換える(置き換える項目名も法定外労働時間)ケースでは、一旦、3の計算式の修正の手順で削除する「法定外労働時間」の箇所に1などの値を仮置きしていただき、旧「法定外労働時間」を削除して、新「法定外労働時間」項目を作成後、仮置きした値(1)を新「法定外労働時間」項目に置きなおしていただく必要があります。暫定的であっても同一の名称を用いることはできません。
労働保険の対象とならない支給項目の設定
- 役員報酬など労働保険の対象とならない支給項目の設定をする場合は、支給項目の「労働保険の対象」を「対象外」に設定することで対応できます。
- 上記以外に役員に支払われる給与(例えば通勤手当など)がある場合は、HRMOS COREの雇用保険および労災保険の設定により、労働保険の対象外にできるため、対象者の設定も確認する必要があります。
常に非表示の活用について
- 支給項目で「常に非表示(支給額には含まない)」を設定すると、支給額としては反映されませんがさまざまな計算に活用することができます。例えば次のような例があります。
| 例 | 活用例 |
|---|---|
| 欠勤控除をマイナスで明細表示したい |
初期設定項目である欠勤控除は計算種別がマイナス計算から変更できませんので、次の対応により明細に表示される欠勤控除をマイナスで表記できます(他の設定に影響を与える恐れがあり変更できないようになっています)。 ①初期設定項目である欠勤控除を「欠勤控除(計算用)」に名称変更し、「常に非表示」で設定します ②新たに「欠勤控除」=(0-1)*欠勤控除(計算用)を「表示」で作成します |
| HRMOS COREでは手当A、手当Bを登録するも明細は基本給(=手当A+手当B)で表示したい | 基本給「表示」=手当A「常に非表示」+手当B「常に非表示」とすることで明細上は基本給のみで表示できます。 |
| 退職金の引当金として基本給の2%を毎月計算したい | 新たに「退職引当金」=基本給✕0.02として「常に非表示」とすることで、事務担当者がその金額を確認、支給控除一覧表などで出力できます。 |
| 管理職(役職手当が5万円以上払われる者)は欠勤控除をしたくない |
次の対応により一定の金額条件に合致する者に対する計算を変更できます。 ①新たに「※管理職フラグ」=ROUNDDOWN(役職手当 / 50000, 0) * MIN(1, 役職手当)を「常に非表示」で作成します。 →役職手当が5万円以上の場合に 1 を、それ未満の場合に 0 を返します ②欠勤控除=((1-※管理職フラグ)*(控除基礎単価(日)*欠勤日数))を「表示」で作成します。 →※管理職フラグ=1の場合に0円になります |
- 常に非表示とした項目でも休職時の支給対象、退職翌月の支給対象、日割計算対象の設定は有効なため、設定誤りにお気をつけください。
表示/非表示とプラス/マイナス項目を区別する
表示/非表示(支給額に含まない)やプラス/マイナスは一度設定してしまうと、その処理はなされるものの、後で確認したときにいずれの設定にしたかわからなくなるときがあります。
自社で取り決めて一定の項目名ルールを設けることによって、回避できる場合もありますのでご検討ください。以下は参考です。
- 非表示(支給額に含まない)→[基本給]というように[ ]で囲む
- マイナスで支給するもの(例:欠勤控除)→▲欠勤控除 という名称にする
HRMOS COREの手当と単価
HRMOS COREで登録する手当、単価共に、HRMOS給与での給与計算に使用することができますが、次のような違いがあります。
手当:給与設定時には、特段の設定なく、毎月支給の固定金額として認識される項目となります。HRMOS COREでは月額として、HRMOS CORE>業務情報>雇用条件自動的に算出される理論月収に組み込まれます。
単価:給与設定時には、何等かの計算式を使用することにより計算結果を項目に反映させます。HRMOS COREの理論月収などにも影響を与えません。
社員一覧で支給項目を設定し、給与計算グループが変更された場合
給与計算グループが変更されると社員一覧で設定する支給項目の値がリセットされます。再登録いただく必要があります。