概要
HRMOS給与において社会保険料を適切に控除するためには、事前にHRMOS COREおよびHRMOS企業管理で関連する基本情報を設定する必要があります。HRMOS給与で健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料を自動的に計算し、給与から控除するための設定手順を説明します。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- 社会保険料を自動計算・徴収するための前提となるHRMOS COREおよびHRMOS企業管理の設定項目を理解する
- 給与計算グループにおける社会保険料の徴収設定(翌月徴収・当月徴収)を適切に行う
- 社会保険料が正しく徴収されない場合の確認ポイントを把握する
前提条件
- HRMOS労務給与の全体像を把握していること
- HRMOS COREにおける社会保険料徴収関連項目が社員情報として登録されていること
- HRMOS企業管理の共通設定に適用事業所が登録されていること
- 給与計算グループが作成・設定されていること
- 初期設定の実施に必要なアカウントが追加されていること
手順
社会保険料はHRMOS給与が自動的に計算・徴収するため、個別の控除項目として手動で登録する必要はありません。HRMOS給与で社会保険料が正しく計算・控除されるためには、以下のマスターデータと設定を適切に行う必要があります。
ステップ1. HRMOS COREにおける社員情報の登録
操作の概要
社員個人の社会保険に関する基本情報をHRMOS COREに登録します。これらの情報に基づき社会保険料が自動算定されます。
具体的な操作
- 社員の生年月日を登録します。これは年齢に応じた社会保険料の徴収・不徴収の自動算定に利用されます。
- 社員ごとに社会保険・労働保険の適用事業所を登録します。これはHRMOS企業管理で登録したものを選択します。
- 月額保険料算定方法を設定します。通常は「月額表から計算」を選択しますが、「金額を直接入力」を選択した場合は、登録された本人負担額が徴収されます。
- 健康保険および厚生年金保険の加入区分、資格取得年月日、資格喪失年月日、標準報酬月額(等級)を登録します。介護保険料免除の設定も必要に応じて行います。HRMOS COREにおける社会保険料徴収関連項目で詳細を確認ください。
- 産休・育休の取得状況は、業務情報>休職で種別を「出産・育児」として期間を登録します。これにより社会保険料免除の対象となります。
- 雇用保険の加入区分、従業員区分、資格取得年月日、離職等年月日を登録します。
ステップ2. HRMOS企業管理における設定
操作の概要
社会保険料率の参照先となる適用事業所や、社会保険料の徴収時期に関する設定を行います。
具体的な操作
-
HRMOS企業管理>共通設定>適用事業所で、社会保険が適用される単位の事業所として適用事業所を登録します。
- 適用事業所には、健康保険、厚生年金保険、労働保険、雇用保険の各種事業所番号などを設定します。
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HRMOS企業管理>給与>給与計算グループの基本設定において、グループ毎で社会保険料の徴収方法(翌月徴収または当月徴収)を設定します。通常、翌月徴収が法律で定められています。
- 月末退職社員に対する2ヶ月徴収の有効/無効を設定します(特定の要件を満たす場合のみ有効選択可能)。
- HRMOS企業管理>給与>基本設定において、労働保険の算定期間基準を設定します(賃金計算期間または支給月)。これは料率を使用するときに、賃金計算期間(=給与計算期間の末日)、支給月の料率を使用して雇用保険料を算出することになりますので雇用保険料の徴収計算、労働保険料の算定に影響します。
ステップ3. 給与計算グループにおける控除項目の確認
操作の概要
社会保険料は自動計算されるため、給与計算グループの「項目設定」において、社会保険料が適切に処理されることを確認します。
具体的な操作
- HRMOS給与の設定>給与計算グループを選択し、対象の給与計算グループの「項目設定」にアクセスします。
-
「控除」セクションにおいて、既存の社会保険料関連の項目(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料など)が適切に設定されていることを確認します。
- 特に、雇用保険料は「労働保険の計算対象」として設定された支給項目で受けた合計額に料率を乗じて徴収されるため、関連する支給項目が正しく設定されていることを確認します。
- 法令に基づく保険料免除は産休・育休期間中の社会保険料免除を参照してください。
手順の補足・設定項目一覧
HRMOS COREにおける社会保険料徴収関連項目
| 登録項目 | 備考 | |
|---|---|---|
| 個人情報 | 基本情報>生年月日 | 本人の年齢を判断し、年齢に応じ社会保険料の徴収・不徴収が自動算定されます。 |
| 社会保険・税金 | 社会保険・労働保険>適用事業所 | HRMOS企業管理で登録した適用事業所を選択します。 |
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社会保険基本情報>月額保険料算定方法* 被保険者区分 |
通常は「月額表から計算」を設定。 「金額を直接入力」を選択した場合のみ、健康保険(介護保険)や厚生年金保険に登録した本人負担額*が徴収されます。 被保険者区分は月額変更届や算定基礎届の支払い基礎日数の判定に使用されます。 |
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健康保険>加入区分、資格取得年月日、資格喪失年月日、標準報酬月額(等級)* 介護保険料免除 |
加入区分は直接金額に影響しませんが、月額変更届など届出作成に影響します。 本箇所の登録にあたり適用日が重要となっております。詳細は標準報酬月額の登録による健康保険料(介護保険料)、厚生年金保険料の徴収時期を参照ください。 介護保険料免除は海外に居住の場合のみの免除設定となり、年齢による免除は生年月日で判定されるためチェックの必要はありません。 |
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| 厚生年金保険>加入区分、70歳以上被用者該当、資格取得年月日、資格喪失年月日、標準報酬月額(等級)* | 加入区分、70歳以上被用者該当は直接金額に影響しませんが、届出作成に影響します。 | |
| 雇用保険>加入区分、従業員区分、資格取得年月日、離職等年月日 |
加入区分が「加入」かつ給与または勤怠計算期間に被保険者である日が1日でもある場合に徴収されます。 ただし、その後「未加入」の履歴が同計算期間内に作成された場合、そちらが優先され保険料は徴収されません。 |
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| 業務情報 | 休職>種別、産休期間、育休期間 | 種別が「出産・育児」の場合、産休・育休の取得を選択することで、期間に応じて社会保険料免除の対象となります(保険料免除の仕組み詳細は日本年金機構のHPを参照ください)。 |
- 健康保険組合で特定被保険者制度の場合に限り 個人情報>家族>社会保険>扶養の有無、生年月日が介護保険料に影響します。
- * 月額保険料算定方法、標準報酬月額(等級)などの項目は賞与における社会保険料控除に影響がありません。
HRMOS企業管理における社会保険料徴収関連項目
| 該当箇所 | 登録項目 | 備考 |
| 共通設定>適用事業所 | 健康保険、厚生年金保険、子ども子育て拠出金、労災保険、一般拠出金、設定している場合はメリット制、雇用保険の保険料率 |
給与計算時の社会保険料率の参照先となります。 メリット制の料率を設定した場合、そちらが優先されます。 |
| 共通設定>適用事業所 | 健康保険、厚生年金保険の端数処理対象・端数処理、雇用保険の端数処理 | 月額表の件の場合の社員負担分の1円未満の端数処理を決定します。健康保険では介護保険料率と合算してから、あるいは別々での料率での端数処理を選択できます(詳細は適用事業所>健康保険をご確認ください)。 |
| 給与>給与計算グループ>基本設定>社会保険>社会保険料徴収 | 翌月徴収 / 当月徴収 |
当月の標準報酬月額に対し、翌月または当月の支給日で社会保険料を徴収する設定です。 詳細は標準報酬月額の登録による健康保険料(介護保険料)、厚生年金保険料の徴収時期を参照ください。 |
| 給与>給与計算グループ>基本設定>社会保険>月末退職社員の2ヶ月徴収 | 有効 / 無効 |
資格喪失日が翌月1日かつ末日退職の場合の保険料を自動的に2ヶ月分徴収する設定です*。 |
| 給与>基本情報>労働保険の算定期間基準 | 賃金計算期間 / 支給月 | 労働保険料(労災保険料・雇用保険料)の計算に使用される料率の参照基準です。 |
| 給与>給与計算グループ/賞与項目パターン>項目設定>支給>支給項目>労働保険の計算対象 | 対象 / 対象外 | 雇用保険料は「労働保険の対象」と設定された支給項目の合計額に料率を乗じて算定されます。 |
*HRMOS CORE>業務情報>入社・退職の適用日=退職日で登録した場合に、それが未来日の場合、社会保険料の2ヶ月徴収が行えないことがあります。この場合、適用日は現在日としてください。
補足・ヒント
生年月日での保険料徴収
- 生年月日で保険加入状況が変わるため、生年月日から社会保険料の徴収は自動判定されます。
- 健康保険に加入の場合で40~65歳未満:介護保険料を徴収
- 厚生年金に加入の場合で70歳未満 厚生年金保険料を徴収
- 健康保険に加入の場合で75歳未満 健康保険料を徴収
標準報酬月額の登録による健康保険料(介護保険料)、厚生年金保険料の徴収時期
-
例えば2025/9/1適用日として標準報酬月額が改定された場合、翌月徴収であれば10月支給時から、当月徴収であれば9月支給時から控除する保険料が改定される仕組みです。
- HRMOS COREではその月の末日に登録されている標準報酬月額が使われます。
-
標準報酬月額を変更する場合「月額変更届」「算定基礎届」をHRMOS給与で届出・電子申請を行い、そのまま等級をHRMOS COREに反映させる方法、またはHRMOS COREで直接標準報酬月額と適用理由を新たに設定する方法があります。後者の場合、適用時期を誤らないようご注意ください。
- 例)支給日Bで翌月徴収する場合、標準報酬月額の登録は前月の適用日で登録する必要があります。
【翌月徴収と当月徴収の給与からの徴収の例】
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社会保険料徴収 / 取得日・喪失日 |
翌月徴収 HRMOS企業管理>給与>給与計算グループ>基本設定>社会保険>社会保険料徴収 |
当月徴収 HRMOS企業管理>給与>給与計算グループ>基本設定>社会保険>社会保険料徴収 |
| 資格取得日=4/1 | 5月に支給する給与から徴収開始 | 4月に支給する給与から徴収開始 |
| 資格喪失日=3/31 | 3月に支給する給与まで徴収 | 2月に支給する給与まで徴収 |
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資格喪失日=4/1 (退職日3/31) |
4月に支給する給与まで徴収。下記の場合を除く | 3月に支給する給与まで徴収 |
社会保険料が徴収すべき給与から徴収されていない場合
- HRMOS給与の社員>個人情報タブで適用事業所が設定されているか、また対象月の給与の社員情報>社会保険基本情報で適用事業所が設定されているか、関連項目が登録されているかを確認してください。情報が不足している場合は、情報の同期を行う必要があります。
産休・育休期間中の社会保険料免除
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HRMOS COREの休職の種別=「出産・育児」の場合に限り、期間に応じて自動的に免除が行われます。
- 免除されている場合は給与・賞与計算の社会保険基本情報(社会保険料免除)で対象として確認できます。
- 他の種別での自動免除は行われません。期間や支給額にかかわらず社会保険料は徴収されます。
- 保険料免除対象となる月・賞与回はHRMOS給与で社会保険基本情報>社会保険料免除・免除理由の表示で確認できます。
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次のような期間について自動的に免除されます。
- 産休中の給与・賞与の保険料:開始月分から終了日翌日の属する月前月分まで(保険料は当月徴収の場合は開始月から終了日翌日の前月まで、翌月徴収の場合は開始翌月から終了日翌日の月まで)
- 産休中の賞与の保険料:賞与支給日が属する月の月末が産休の場合
- 育休中の給与の保険料:開始月分と終了日翌日の属する月前月分まで(保険料は当月徴収の場合は開始月から終了日翌日の前月まで、翌月徴収の場合は開始翌月から終了日翌日の月まで)。ただし、開始・終了が同月(暦日)の場合、その合計の期間が14日以上ある場合はその月分(保険料は当月徴収の場合はその月、翌月徴収の場合はその翌月)
- 育休中の賞与の保険料:賞与月の末日を含んだ連続した1カ月を超えた育休の場合
資格喪失時のイレギュラーの社会保険料徴収
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同月得喪(同暦月に取得し喪失した場合)の場合、健康保険料・厚生年金保険料は自動で各1ヶ月分が徴収されます。
- 同歴月内に次の企業への転職が決まっている場合等で、会社として厚生年金保険料を徴収しない場合には、厚生年金保険料を手動で0円としてください(参考>日本年金機構HP>入社した月に退職をした場合)
- 給与が当月支給の場合などに月末退職で2ヶ月分の社会保険料を徴収したい場合は、該当する給与計算グループ(HRMOS企業管理>給与)での基本設定>社会保険>月末退職社員の2ヶ月徴収を有効としてください。
- 資格喪失日が翌月1日(末日退職の場合)に2ヶ月分徴収されます。
- 本設定は給与の締め日・支給日により設定できない場合があります。
システム外で標準報酬月額が決定された場合の社会保険料徴収
- HRMOS COREの社会保険・税金>健康保険や厚生年金保険で「標準報酬月額(等級)」「適用理由」を新たに設定すると標準報酬月額の見直しを行うことができます。産休・育休月変などシステム外で標準報酬月額を変更したときは、標準報酬月額の決定(改定)月の1日の適用日で新たに履歴を作成してください。
例)適用日は翌月徴収の場合:3月の月変をもとに4月支給の給与から徴収する保険料を変更する場合は2024/3/1
当月徴収の場合:3月の月変をもとに3月支給の給与から徴収する保険料を変更する場合は2024/3/1としてください。