概要
HRMOS給与での給与計算において、所得税の控除項目が適切に計算されるための設定と運用について説明します。HRMOS給与で所得税が自動計算されるための前提条件と設定方法を理解できます。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- 所得税の計算対象となる社員の要件を把握する
- 所得税の計算方法とその設定を確認する
- 実支給日を基準とした所得税計算の運用方法を理解する
前提条件
-
社員の基本情報がHRMOS COREに登録されていること
- HRMOS COREの社会保険・税金 > 所得税基本情報に所得税計算に関する情報が登録されていること
- HRMOS企業管理の給与 > 基本情報にて税計算方法が設定されていること
- 給与計算グループが作成・設定されていること
- 初期設定の実施に必要なアカウントが追加されていること
手順
HRMOS給与で所得税を適切に控除するため、以下の手順で設定および確認を行います。
ステップ1. 所得税計算対象者の要件を確認する
操作の概要
- 所得税計算の対象となる社員がHRMOS COREに正しく登録されているかを確認します。
具体的な操作
1.HRMOS COREにて、社員の「社会保険・税金」>「所得税基本情報」が以下の通り設定されていることを確認します。
- 「給与支払事務所」がHRMOS企業管理>共通設定>給与支払事務所より選択・登録されていること
- 「非居住者区分」が「該当しない」こと
- 「所得税計算区分」が「計算する」こと
- 「所得税計算情報」>「税区分」が「甲欄」または「乙欄」であること
2.非居住者の場合、非居住者区分が「該当する」と設定されていることを確認します。所得税計算区分=20.42%で計算の場合のみ計算できます。
- 補足:HRMOSでは非居住者分の法定調書には対応していません。また、年中の甲→乙変更には対応していませんので、手順の補足・設定項目一覧を参考にご対応ください。
結果
- 所得税計算の対象となる社員がシステムで正しく認識されます。
ステップ2. 税計算に影響のある項目を設定する(甲欄の場合)
操作の概要
- 所得税計算の対象となる社員が甲欄で計算される場合、正しい扶養人数カウントがされる情報が登録されているかを確認します。
具体的な操作
1.HRMOS COREにて、社員の「個人情報」>「家族」が以下の通り設定されていることを確認します。
-
扶養控除等申告書(D欄を除く)に記載の家族(以下、「該当家族」)が扶養・配偶者控除の有無=有で登録されていること
- 税額計算には関係ないが、年少者の登録も実施する
- 該当家族の続柄、生年月日が登録されていること
-
該当家族の所得見積金額が0でない場合、金額が登録されていること
- 金額が58万円以下(特定親族に該当する人は合計所得金額が 100 万円以下。なお、いずれも2025年11月以前は48万円以下)の場合には扶養人数カウントが行われ、源泉控除対象配偶者に限り、95万円以下かつ本人の年間所得見積金額(社会保険・税金>所得税基本情報)が900万円以下のとき)行われる。そうでない場合はカウントされない。なお、同一生計配偶者も下記登録で障害者控除を受ける場合には本人の年間所得見積金額(社会保険・税金>所得税基本情報)が900万円超である登録が必要。
-
該当家族が障がい者である場合、障害者区分、申告書障害者区分が登録されていること
- 同居特別障害者と特別障害者は住所で同居が自動判定されないため、申告書障害者区分として正しく登録されていること。
2.HRMOS COREにて、社員の「社会保険・税金」>「ひとり親・寡婦」が本人の該当状況に応じ、対象外,ひとり親,寡婦のいずれか登録されていることを確認します。
3.HRMOS COREにて、社員の「社会保険・税金」>「勤労学生」が本人の該当状況に応じ、対象外,対象のいずれか登録されていることを確認します。
4.HRMOS COREにて、社員の「社会保険・税金」>「障がい者」が本人の該当状況に応じ、障害者区分、障害者区分詳細が登録されていることを確認します。
結果
- 甲欄で計算される場合の所得税の計算ロジックがシステムに適用されます。
ステップ3. 税計算方法を設定する
操作の概要
- HRMOS給与の基本設定で所得税の計算方法を選択する。
具体的な操作
1.HRMOS企業管理にアクセスし、左メニューの「給与」を選択し「基本情報」をクリックします。
2.「税計算方法」で「税額表(月額表)」または「電算機計算の特例」のいずれかを選択します。
- 「電算機計算の特例」は甲欄のみに対応し、乙欄では税額表を参照ください。
- 「税額表(月額表)」または「電算機計算の特例」はいずれも課税対象額(課税支給額ー社会保険料)を基に毎月の給与から控除される所得税の方式を決定します。両者の計算結果は異なる場合があります。本詳細は国税庁や税務署にお尋ねください。
結果
-
所得税の計算ロジックがシステムに適用されます。
手順の補足・設定項目一覧
| 設定項目 | 説明 |
|---|---|
|
HRMOS CORE: 所得税基本情報 |
・「非居住者区分」が「該当しない」かつ「所得税計算区分」が「計算する」かつ「所得税計算情報」の「税区分」が「甲欄」または「乙欄」である社員、または「非居住者区分」が「該当する」社員が所得税計算の対象となります。 ・「丙欄」は対応していないため選択しないように注意してください。選択しても計算されません。 ・年の途中で非居住者に変更された場合でその後も非居住者として支払が続く場合(国内分と非居住者分に分かれる)、甲→乙欄に変更した場合(甲と乙が分かれる。乙→甲欄への変更は通常問題がありません)も年内の賃金が全て通算されてしまい、年税額計算で別々の源泉徴収票等の出力ができません。これらの変更があった場合は、同一人物に対して、1環境に別人として情報をご登録いただき利用ください。 |
| HRMOS企業管理: 税計算方法 | 毎月の給与から控除される所得税の方式を決定する。選択肢は「税額表(月額表)」または「電算機計算の特例」である。「電算機計算の特例」を選択した場合、HRMOS COREの税区分が「甲」の本人に対し、通常の給与支給時、前月中に通常の給与を受けていない人への賞与支給時、前月中の通常の給与の10倍を超える賞与支給時に特例により所得税が控除されます。 |
補足・ヒント
いつ時点のHRMOS COREの情報で計算されるか
- 給与・賞与が支払われる年の12月31日時点の登録(扶養親族などの年齢の判断は12月31日)に基づき計算されます。
- 計算は計算開始時に設定する実支給日(支給予定日が休業日であった場合の翌営業日や前営業日)にに登録されているデータを取得します。
- 実支給日に支払われたものとして計算されます。但し、次のとおりです。
- 賞与における前月の考え方は、下記に記載の「賞与からの所得税徴収」の設定により支給予定日を選択できます。
- 支給予定日などを採用したい場合は末尾の方法をご確認ください。
家族が死亡した場合
- 死亡した家族を引き続き年内税扶養(甲欄)の対象とする場合は、対象家族の税法 > 扶養・配偶者控除の有無は有のまま、12月31日まで登録されている必要があります。
16歳未満の家族
- 16歳未満の家族であっても、扶養控除申告書(D欄を除く)に記載のある家族はHRMOS COREで対象家族の税法 > 扶養・配偶者控除の有無は有で登録してください。
所得税の金額が出力されない、または間違っている場合
- まず手順の内容が正確に設定されているかを確認してください。特に、一定金額のずれが、大人数で生じている場合で、課税対象額があっている場合はステップ3の設定確認をお願いいたします。
社会保険料の合計がマイナスの場合の課税対象額
通常、(源泉)所得税を算出するための課税対象額は課税支給合計ー社会保険料合計で算出します。
但し、社会保険料合計がマイナスとなる場合はこれを0円とみなして計算しますので、0円としてみなしたくない場合は、大変お手数ですが手計算で算定されるようお願い致します。
実支給日における税額計算の考え方と支給予定日で税額計算させる方法
実支給日により計算されますので、次のようなA,Bの考え方が原則となります。但し、□の方法を用いることで支給予定日による計算方法を採用することも可能です。
A.12月末支給の給与が1月5日に繰り越された場合
→12月の支給はなく、1月5日の給与支給があったものとして取り扱われます。1月末支給の給与がある場合には、1月5日と1月31日に支払われた形となります(所得税徴収は1月5日と1月31日に各1ヶ月分づつの徴収が行われます)。
|
Aで12月支給されたものとみなしたい場合には、支給日を12/31としてデータを作成して一度確定いただきます。その後、確定解除(編集状態にしない)して実支給日(1月5日)に変更いただき、再確定してからFBデータを作成する必要があります。 ※年末調整も実支給日を元に当年分で計算されますので、計算を行いたい月の日付にした状態で作業いただく必要があります。 |
B.5月末支給の給与が6月1日に支払われた場合で、6月に賞与の支給があった場合
→5月末支給の給与はないものとして取り扱われますので、6月に賞与の支給があった場合の所得税の計算は「前月に給与支払いがない場合」で処理されることになります。
| Bで5月に支給されたものとみなしたい場合には、支給日を6/1としてデータを作成して一度確定いただき支給します。その後、確定解除(編集状態にしない)して5/31に変更いただいた後、賞与を作成ください。なお、賞与確定後は実支給日に再度御戻しいただいて大丈夫です。 |
なお、Aの後で2月に賞与支給があった場合には、後で支給された1月31日支給の給与が「前月の給与」として取り扱われ所得税計算されます。
常態として、前月を支給予定日で支払った給与で計算したい場合は基本設定>賞与所得税算定基準日の設定を見直すことで対応も可能です。