概要
HRMOSでは社会保険に関する各種手続きの効率化を支援する機能を提供します。本記事では、HRMOS給与システムにおいて社会保険の月額変更届を作成する際の基本的な情報と関連する設定、一般的な申請の流れについて説明します。
目的
この記事を読み終えることで、以下のことができるようになります。
- HRMOS給与における社会保険の月額変更届に関連する基本的な設定と前提条件を理解する
-
月額変更届の届出・編集・提出・届出結果の反映の一連のプロセスを把握する
前提条件
- HRMOS給与の操作に必要なアカウントが追加されていること
- HRMOS企業管理の適用事業所の設定が完了していること
-
HRMOS COREの 社会保険・税金に月額変更届に関する項目が正確に登録されていること
- 作成しようとする月額変更届の改定年月の前月以前に標準報酬月額が変更された場合は、月額変更届の作成前にHRMOS COREに変更済みの標準報酬月額が登録済みであること(例.10月月変の場合、その前月である9月の日付でHRMOS COREに標準報酬月額が登録されてから月額変更届を作成すること)
- 給与計算グループの支給項目の社会保険の計算対象、(社保)固定賃金、(社保)現物給与の設定が正確に登録されていること
- 月額変更届の対象者となり得る対象者の支払基礎日数が正しく算定されていること
手順
届出の作成、編集から申請までの一般的な手順を説明します。
ステップ1.適用事業所の設定を確認する
-
HRMOS企業管理画面へアクセスし、適用事業所の設定を確認します。
- 月額変更届で電子申請をクリックしたときに登録されている適用事業所が申請に利用されます。
ステップ2.社会保険関連の基本情報を確認・設定する
- HRMOS COREの 社会保険・税金に現状(月額変更届作成時の情報)が正確に登録されていることを確認します。
ステップ3.給与計算を確定する
-
給与計算が確定した時点で自動的に月額変更届が作成できるようになります。
- 月額変更届を自動的に作成するには一般的に4ヶ月分、手作業で作成する場合も最低1ヶ月分の給与確定が必要です。
ステップ4.届出の作成を開始し対象者を確認する
- HRMOS給与の各種手続・管理から月額変更届をクリックします。
- 作成する月額変更届の改定年月、適用事業所を選択します。
- 月額変更届のシステム自動判定の基準をもとに対象者は対象タブに表示されます。システム自動判定は限りがあるため、必ず対象者はご自身でご確認いただき必要あれば修正ください。
①対象者が漏れている場合は画面右上の社員を追加をクリックして社員を選択し、保存をクリックします。
②追加した社員は対象外タブに表示されます。
ステップ5.届出の内容を確認・編集する
操作の概要
- 届出の内容を確認し、修正の必要があれば編集します。詳細は管轄の年金事務所等にお問い合わせください。
具体的な操作
-
対象外タブに表示されている社員がいる場合は、社員名をクリックして届出の内容を確認します。
- 修正内容により対象となる場合があります。
- 修正が必要な場合、次の方法で編集します。
①画面右上の「編集」をクリックし編集可能な部分は修正します。修正後は保存をクリックします。
i.誤って編集した部分は画面右上の「・・・」から初期値に戻すを選択すると値が元に戻ります。
ii.対象タブ、対象外タブの一覧画面で対象社員の氏名左側にチェックを入れ、画面上部の「初期値に戻す」
ボタンをクリックした場合も同様に値が元に戻ります。
②上記で編集できないHRMOS COREより引用されている部分は、先にHRMOS COREの情報を修正します。
その後、画面右上の「・・・」から「情報の更新」を選択すると値が更新されます。
i.対象タブ、対象外タブの一覧画面で対象社員の氏名左側にチェックを入れ、
画面上部の「情報の更新」ボタンをクリックした場合も同様に値が更新されます。
HRMOS給与より引用されている部分に関しても同様に修正できます。
-
対象タブの社員についても前述の確認・必要あれば編集を行います。
- 修正内容により対象外となる場合があります。
-
対象タブに電子申請する社員が全て含まれている状態にします。
- 電子申請は対象タブから対象者を選択して行うため電子申請をしない対象者が含まれていても問題はありません。
- 提出前に電子申請する内容を一括で確認したい場合は、対象タブの一覧画面で対象社員にチェックを入れ、画面上部の「書き出し」ボタンをクリックすると、社会保険の電子申請に転用できるCSVを出力することができます(この後のステップではこのCSVデータが自動的に作成・添付され電子申請する仕組みです)。なお、書き出しボタンを押すと媒体通番の入力を求められますので001~999までのいずれかの番号を設定ください。
結果
- 月額変更届で提出するデータが準備できます。
ステップ6.届出の電子申請をする
- 対象タブで月額変更届を提出する対象者をチェックし、「電子申請」ボタンをクリックします。
◦ 一番上の氏名の左側にチェックを入れると全員一括で選択できます。
- 電子申請の画面で必要な項目を設定します。
①提出先を選択します。(健康保険組合の場合のみ選択できます)
②媒体通番を設定します。
③通知書希望形式を選択します。
④郵送の有無を選択します。
⑤必要な場合に備考に記入します。
⑥必要な場合に添付ファイルを添付します。
+添付ファイルの追加 をクリックすると書類名の入力、ファイルが選択できます。届出内容となるCSVを除く必要なファイルを添付します。
-
画面右下の「電子申請」ボタンをクリックすると電子申請が行われます。
ステップ7.電子申請の進捗を確認する
- HRMOS給与で行われた電子申請はHRMOS労務からその後の届出を確認してください。
- 通常は、HRMOS労務で自動的に電子申請までが行われますが、送信先のシステムが止まっている場合などに、HRMOS労務でステータス=申請待ちで止まっていることがあります。この場合、HRMOS労務で申請待ちの届出にチェックを入れ、電子申請をクリックすると引き続き電子申請できますのでご対応ください。
- 電子申請まで進んだ届出はHRMOS労務>電子申請のメニューでその後の状況を確認できます(詳細:電子申請の進捗管理・公文書の取得)。
ステップ8.届出した標準報酬月額を反映する
- 届出作成の画面から対象の給与計算の前までに「COREへ反映」をクリックし、標準報酬月額を反映させます。
- 届出した標準報酬月額を使用して社会保険料を計算しようとする前までに標準報酬月額を登録します。
- 届出した標準報酬月額を使用して社会保険料を計算しようとする前までに標準報酬月額を登録します。
手順の補足・設定項目一覧
システム自動判定の基準
判定イメージ
①~③の全てを満たした対象者が月額変更届の対象タブに登録されます。
| 対象タブの判定基準 | |
| ①固定的賃金の変動があったと判定されたか |
4→3ヶ月前の給与で固定的賃金の変動=変動あり(金額変動)、変動ありのいずれかの場合に変動があったと判断されます。 (例:12月支給→1月支給に変動ありと判断された場合、1,2,3月支給額をもとに4月の月額変更届を作成する) 変動あり(金額変動)とされる場合:a~cの合計額*に変動があった場合です。 a.HRMOS COREに登録する基本給(単価)*、手当、通勤手当(定期代含む月額*)から適用された値(給与締め日時点) b.HRMOS 企業管理>給与>給与計算グループ>項目設定>支給で社員一覧で設定され固定的賃金として登録した値 c.HRMOS 企業管理>給与>給与計算グループ>項目設定>単価で固定的賃金として登録した値 *基本給が時給や日給の場合も「基本給(単価)」で合計額として合算されます。 *通勤手当(日額)の変動は検知できません。 *合計額はHRMOS給与の給与計算で計算情報>社保固定的賃金で表示される金額となります。編集により修正可能です なお、固定的な賃金は締め日時点の値が抽出されるため、本来月額変更届の対象になるタイミングと固定的賃金の変動表示が一致しないことがあります。 変動ありとされる場合: ・HRMOS COREに登録する雇用形態の変動、給与形態の変動があった場合(給与締め日時点)です。 |
| ②変動月以後3ヶ月共に賃金支払基礎日数が17日(短時間被保険者のみの場合11日以上)あるか | 支給月の被保険者区分が一般被保険者、パート扱いの場合は支払基礎日数が17日以上、短時間被保険者の場合は支払基礎日数が11日以上の月が3ヶ月ある場合に支払基礎日数の要件が満たされたと判断されます。 |
| ③変動月以後3ヶ月の報酬の平均額と当月の標準報酬月額に2等級以上の差があるか |
・変動月以後3ヶ月の報酬の平均額は、修正平均を記載した場合のみ修正平均で判断します。 ・改定年月の前月末日時点の等級と2等級以上の変動有無を判断しますが、等級変動が2等級なくとも上限下限等級で下記の2等級相当の変動に該当する場合も月変対象となります。 |
2等級相当の変動
2等級以上の変動がなくとも次のような場合に月額変更届の対象となる場合があります。なお、※を自動検知する場合は「HRMOS CORE」>社会保険・税金>健康保険や厚生年金保険の報酬月額の欄も入力をしてください
| 昇給の場合 | 降給の場合 | |
| 健保 |
→3ヶ月の報酬の平均額が1,415,000円以上 ⇒ 50等級:1,390,000円
→3ヶ月の報酬の平均額が63,000円以上 ⇒2等級:68,000円 |
→3ヶ月の報酬の平均額が1,355,000円未満 ⇒49等級:1,330,000円
→3ヶ月の報酬の平均額が63,000円以上 ⇒1等級:68,000円 |
| 厚年 |
→3ヶ月の報酬の平均額が665,000円以上 ⇒ 32等級:650,000円
→3ヶ月の報酬の平均額が93,000円以上 ⇒2等級:98,000円 |
→3ヶ月の報酬の平均額が635,000円未満 ⇒31等級:620,000円
→3ヶ月の報酬の平均額が83,000円未満 ⇒1等級:88,000円 |
編集できる届出項目
| 氏名・氏名(カナ) | 漢字は、電子申請上受け付けられない文字があります。髙(はしごだか)など一部使用できない文字があるため、変換を行っていただく等の対応が必要な場合がございます。詳細はこちらを参照ください。 |
| 判定情報 |
・固定的賃金の変動:『変動あり(金額変動)』『変動あり』のいずれかが選択されているときに月額変更届の対象となりえます(対象外にするときは『変動なし』を選択します)。 ・固定的賃金の差額:『変動あり(金額変動)』の場合、固定的賃金の差額が表示されます。誤っている場合は修正ください。降給の場合はマイナスでご入力ください。 ・支払基礎日数:毎月の給与で表示される支払基礎日数にあたる日数を表示します。誤っている場合は修正ください。 ・被保険者区分:HRMOS COREで設定した社会保険基本情報>被保険者区分より『一般被保険者』『パート扱い』『短時間被保険者』が自動設定されます。区分が異なる場合は修正ください。 ・通貨による支給額:毎月の給与で表示設定できる社会保険計算情報>「社保対象賃金(通貨)」、「社保対象通勤費」が引用されています(「社保対象賃金(通貨)」は、給与計算グループの支給項目設定時に『社会保険の計算対象:対象』かつ『(社保)現物支給』としなかった合計額です)。なお、「社保対象通勤費」は通勤手当のうち定期代などの数か月分が一括で支給される場合は、その月数分で按分された金額が加算された額となり、HRMOS COREの金額をもとに初期値が引用されています。 この金額を変更したい場合は、直接額を編集いただくか、末尾の補足・ヒント>給与計算データの修正で対応ください。 ・現物による支給額:給与の支給項目設定時に『社会保険の計算対象:対象』かつ『(社保)現物支給』とした合計額が表示されます。 ・修正平均:基本的に平均額と同額が表示されますが、遡及支払額を設定した場合には自動計算されます。(次の項目を参照ください)これ以外の修正がある場合は直接手入力してください。 |
| 遡及支払>月、遡及支払額(修正平均額) | 「HRMOS 給与」では「遡及支払額 = 改定年月の3ヶ月前、2ヶ月前、1ヶ月前の遡及額(支給項目設定の遡及支払 = 対象)」の合計として記載され、修正平均額が自動的に計算される仕組みとなっています。ただし、実際の遡及支払額で修正平均額に算入すべき額は異なる可能性もあります。遡及支払額の記載ならびに修正平均額は必ず正しい額をご自身で手入力ください。(詳細は年金事務所等にお尋ねください) |
| 備考欄 |
・70歳以上被用者:該当した場合は☑してください。(生年月日、「HRMOS CORE」>社会保険・税金>厚生年金保険>70歳以上被用者該当 より自動判定されますが、自動判定されない場合等はご自身でメンテンナンスください)なお、こちらに☑が付かない場合は基礎年金番号や個人番号が登録されていても年金事務所にはその情報は届出されません(健康保険組合の場合はそもそも使用されません)。 ・二以上勤務、短時間労働者:「HRMOS CORE」>社会保険・税金>社会保険基本情報>二以上事業所勤務者、被保険者区分 よりそれぞれ自動判定されますが、異なる場合は修正ください。 ・昇給・降給の理由:自動入力されません。 ・健康保険のみ月額変更:自動入力されません。 ・その他:自動入力されません。 ・70歳以上被用者該当届のみ提出:年金事務所へ届出する際に70歳以上(協会けんぽの場合は75歳以上)でチェックを付ける項目となります。 ・健保固有項目:健康保険組合で指定がある場合にはその値を入力ください。なお、個人別ではなく、届出自体で固有項目に指定がある場合は「HRMOS企業管理」の健保固有項目をご利用ください(詳細)。 |
補足・ヒント
月額変更届の対象月の給与計算データを削除したとき
- 月額変更届の対象月いずれかの給与計算グループの給与データ(例えば7月月変の場合、4,5,6月に支給される給与データ)を削除した場合、これまで作成していた月額変更届のデータは自動的に削除されます。ただし、電子申請を実施済みの場合、電子申請のデータは削除されませんので「HRMOS労務」で取下げその他の削除手配を行ってください。誤って電子申請が行われた場合で取下げなどができない場合は提出機関に問い合わせの上、再申請等の実施をお願い致します。
- 月額変更届の再作成が必要な場合は対象月の給与計算グループの給与データを作成後、再度こちらの手順でデータを作成してください。
月額変更届の対象月の給与計算データを修正をしたとき
- 給与計算データを修正し、再度、計算確定してください(毎月の給与計算:給与計算を締める(確定する)>給与データの確定を解除する)。
- ステップ5.届出の内容を確認・編集する>②の『情報の更新』を押下いただくと確定済みの「HRMOS給与」の給与情報(金額以外も含む)が反映されます。
通勤手当分の報酬月額、支払基礎日数などを一括・履歴で修正したいとき
- 毎月の給与で表示設定をすると確認できる、社会保険計算情報>「社保対象通勤費」、勤怠>「支払基礎日数」は一括インポートや手入力で修正可能です。そのため、上記の給与計算データの修正で一括修正すると比較的容易に作業が可能です。
- 修正箇所は毎月の給与計算:給与計算する>補足・ヒント>固定給(支給・控除)や固定的な通勤手当が計算期間途中で変更した場合を参照して行ってください。
月額変更届の対象者が表示されないとき
- 表示したい月度があっているかご確認ください。前提条件をご確認ください。
- 対象となる3ヶ月の給与計算が確定されているかご確認ください。
- 次の①~④の全ての登録をご確認ください。対象社員に設定されている適用事業所(社会保険)に基づき届出を作成するためです。
①「HRMOS CORE」>社会保険・税金>社会保険・労働保険>適用事業所が登録されているか
②社員の「HRMOS給与」>社員>個人情報>適用事業所が設定されているか
③その月の給与の社員情報>社会保険基本情報>適用事業所が設定されているか(給与計算グループでの各月の社員の氏名より詳細を確認する。事業所情報のタブでも確認可能)
④情報の同期が行われているか
月額変更届が作成できない
- 給与計算の期間が4ヶ月未満である場合、月額変更届は自動的に作成できません。また、1ヶ月も給与計算データに確定データがない場合には月額変更届は作成できません。
- 短期間で月額変更届を作成したい場合には、ステップ4において、社員を追加いただき、対象外のタブから対象となるようにデータを整備いただく必要がございます。
- 4ヶ月の給与データがない場合は「確定給与が存在しません(固定的賃金の変動前の月から月が表示されます)。必要に応じて月額変更届の内容を修正してください」というエラーが出力されます。報酬月額等を直接登録いただくことで月額変更届は作成・届出が可能です。
産前産後休業終了時報酬月額変更届、育児休業等終了時報酬月額変更届への対応
HRMOS労務給与では産前産後休業終了時報酬月額変更届、育児休業等終了時報酬月額変更届への対応はしていません。なお、届出を提出した後のHRMOS COREへの登録のみ対応しています。HRMOS労務給与以外での届出が終了し、新たな標準報酬月額が決定した場合は、HRMOS COREの社会保険・税金>健康保険や厚生年金保険で新たな履歴で標準報酬月額、適用理由=産休終了時月変もしくは育休終了時月変にてご登録ください。